シネマミーハーらくがき帳 1999〜2003
なんというか、映画に嵌まっていた頃があり、雑文を書きまくっていた。
シネマ・グラフィティ・ノート 1999年 その8
*131 「ウォーターボーイ」
フランク・コラチ監督。アダム・サンドラー。キャシー・ベイツ。フェルザ・バルク。
主人公は31歳の冴えないアメラグの給水係。ピュアでおいしい水を選手に供給することだけがいきがい。だから社会性もないからいじめられっこである。彼をそうしたのは「女は悪魔」(正解?)と言い放つ巨魁のママ。ママのプレッシャーを受けながらも、自分の能力にめざめた青年はアメラグのスターへと歩みだしていく。まあ庶民のサクセスストーリーの夢に応える物語といえば、それまでか。
やはり一番の演技賞はキャシー・ベイツでしょう。なにしろ大蛇の丸焼きがメインディッシュだったり、小ワニのバーベキューだのユニークな料理を振る舞ってくれます。そして、息子に近づく女には「女は私一人で十分」って。
ここに出てくる男どもはみんなトラウマを抱えています。この映画はそうした男どもの母ばなれスティグマばなれの物語です。いかにも−のクサい場面も多いのですが、役者さんはそれを承知でやっているのがおかしい。いわばおちゃらけを自己批評しているところがあってその辺がちょっといい感じです。
*132 「メッセンジャー」
馬場康夫監督。飯島直子。草剪剛。京野ことみ。加山雄三。
おなじみホイチョイプロ作品。
そういえば「私をスキーに連れてって」とか「彼女が水着に着替えたら」なんて。
懐かしいなあ。原田友世ちゃん。
自転車でメッセージを運ぶ青年たちの物語。
ライバルはバイク便です。
どっちが速いか、ウサギとカメの駆け比べがクライマックスです。
映画は飯島直子がどうも壊れ方が足りないので、今ひとつ。
でも、良かった。
ホイチョイ映画のスピード感が、今回は自転車に出ています。
緩やかなカーブを疾走し、坂道を駆け上り、トンネルをくぐり抜け。
そのカメラワークがなんか気持ちいいのです。
*133 「アイズ・ワイド・シャット」(2回目)
スタンリー・キューブリック監督。トム・クルーズ。ニコール・キッドマン。
どうも一度見てクソミソに言ってしまったものの気になっていたので2回目の観賞。実はビデオで「シャイニング」を見て、ホテルのパーティーの色調が乱交パーティーによく似ていて意外にいいなあ、と思ったのだ。
で、改めて見てキューブリックのいいたいことがよく見えた。通俗かもしれないが、巨匠は最後に<愛>を残したのだ。<愛>とは何か。迷うなかれ。
「目を開いてばっちり見よ」。アイズ・ワイド・シャットだ。
私たちは夫婦であろうと知人であろうと、コミュニケーション不可能な場所に来ている。そこを超える処方箋こそ。「ファック」だぜ。そういえば無縁だものなあ。
これってロレンスとかフロイトだべか。伊藤整かな。でもいいのだ。ワシはキューブリックの遺言をがっちりと受け止めた。人間が迷路に入った時代。シンプルな場所に脱出口はあるのだ。
*134 「セレブリティ」
ウディ・アレン監督。ケネス・ブラナー。ジュディ・デービス。メラニー・グリフィス。シャリーズ・セロン。レオナルド・ディカプリオ。
神経症の売れないニューヨークの脚本家・リー。彼を取り巻く有名人達の生態観察。別れた妻ロビンは有名タレントになってしまうし、最後までついてない男。
だが、もてる。だが、虚しい。最後は「HELP」ですから。
ウディ・アレン的な批評がいっぱい詰まっているのですが、途中でその雑然ぶり。スラプスティックぶりに飽きてきます。ケネス・ブラナーはウディ以上にうるさく感じました。なんかちぃっと批評というよりマスターベーションを感じたのは無名人のやっかみでしょうか。
*135 「天使に見捨てられた夜」
広木隆一監督。かたせ梨乃。永沢俊矢。大杉漣。田口トモロヲ。パンタ。桐野夏生原作。
新宿で探偵事務所を開く村野ミロ。レイプされたAv女優・一色リナを探す仕事を請け負う。しかし、相次ぐ嫌がらせ。そして依頼人の死、AV監督の誘惑に乱れる。死んだ伝説のロッカーと大会社の社長夫人の関係は?
ハンディーカメラで新宿の雰囲気はよく伝えている。しかし、ストーリー展開がこなれていないから、原作を知らない人はさっぱりワカンナイってことになりそうです。しかもじれったいほどにテンポがないのだ。伝説のロッカーがパンタだそうで。ちょっとカルトなのに。残念。
*136 「黒猫・白猫」
エミール・クストリッツア監督。バイラム・セヴェルジャン。フロリアン・アイディーニ・。
ドナウ川面に暮らすジプシーの一族。おやじは賭事と儲け話に乗っては身上をつぶす。息子は酒場の養女に惚れている。じいさんは昔はバリバリ言わせていたが、今は老いの境地。新興やくざがおやじにつけ込んだから、息子はやくざの妹と結婚させられるはめに。
さあ大変。だが、じいさんとゴッドファーザーが動き出した。いい。ジプシーのアナーキーな陽気さがよく出ています。そして映画の色艶がとってもいいのだ。次から次と展開するエピソード。それがどれも期待度を上回るおもしろさ。
人生。楽天的向日的に生きよう。友情。いいな、それも。本当に元気をくれる映画である。
*137 「オースティン・パワーズデラックス」
ジェイ・ローチ監督。マイク・マイヤーズ。ヘザー・グラハム。ロブ・ロウ。
ご存じ1960年代のテイストを生きるオースティン。世界征服を狙う悪党・イーブル一味とのドタバタ。例によって、007からスターウォーズまでぱろってぱろりまくる。ここまでやるかのオバカさんぶり。
原色がきれいだ。日本の60年代はもっと貧乏だった。そこがとってもうらやましくもある。
*138 「恋はワンダフル」
マーク・ジョフィ監督。ジャーニン・ガラファロ。デイヴィッド・オハラ。デニス・リアリー。マイロ・オシェイ。
ボストンの上院議員のスタッフをしているマーシーは選挙対策でアイルランドへ。議員のルーツを探しイメージアップをしようとういうものだ。ところが祖先の村は「ねるとん」ならぬマッチメイキングフェスティヴァルの真っ最中。そこに、元新聞記者のショーンが登場して恋は始まってしまうというわけ。
ジャーニン・ガラファロ。小さいし美人じゃないな。思い出したぞ、「ムーンライト・ドライブ」でちょっと寂しい女捜査官をやっていたな。いつも酒場でひとりぼっち。今回もなんかぐいぐい飲んでいたな。おやじ殺し?じいさんがぞっこんだったな。マッチメーカーさん。
「夫婦に必要なのは愛情、笑い、食事、セックス」だって。
いやあ、アイルランドってのはケネディなんだな。そして羊やら断崖やら岩だとか。イギリスってのは田舎だな、って思うよな。で、英語以前のわからん方言なんか使って。いいな。
まあ、アメリカ的な物語になったが、根がフォークロア。
*139 「君を見つけた25時」
ジェームズ・ユエン監督。トニー・レオン。ビビアン・スー。アレックス・フォン。エイダ・チョイ。
売れっ子CMディレクターのウイはモテるがすぐ女に振られてしまう。最後に逃げ腰になってしまうからか。自慢じゃないが、ワシもね。モテかけるが、結局振られてしまい、何度涙を流したことか。いや。そんなことじゃなくて。映画、映画。
ヒロイン役のビビアンだけど、ちょっとアンバランスなところが魅力。新鮮な感じをよく出していた。物語は思うようにいかないレンアイゲームをややしつこく描きすぎたように見える。
それにしても香港じゃ、中国語しかできないのは恥なのだな。契約も英語が当たり前なのか。オレは英語が話せないのは情けないが、植民地的な欧米風の名前をつけて喜んでいる連中はヘンだと思うぞ。人民中国!
*140 「ラン・ローラ・ラン」
トム・ティクヴァ監督。フランカ・ボテンテ。モーリッツ・ブライプトロイ。
裏金の運び屋をしている恋人のマニが途中で10万マルクを失った。「殺される」と泣き顔の電話をもらったローラは金策をしてマニを救わなければならない。タイムリミットは正午まで20分。さあ、どうする?
走れ! ローラ!
そんなことで、ローラのマニ救いのゲームが始まる。単純明快な物語。そこに3つのオプションを示してみせる。最初から最後まで徹底的に軽快なテンポが持続する。そして、アニメや連続ショットなどが縦横に使われている。新鮮な感覚がいっぱいだ。
それにも増してローラがベルリンの街を疾走する力強さがいい。なんかさわやかなのだ。そういえば女盗賊4人組の快走する「バンディッツ」もドイツ映画だった。元気いいぞ、ドイツ人。
心地よい半面、なんか食い足りない。せっかく哲学的な問いかけをしながら、オチはサッカーゲーム。体育会系のノリが徹底しているからか。
*141 「運動靴と赤い金魚」
マジッド・マジディ監督。ミル=ファロク・ハシェミアン。バハレ・セッデキ。アミル・ナージ。
イラン映画だそうな。キアロスタミさんの名前は聞いているが、実は見ていない。
初体験の感想。素朴な中にジーンと来るものがありました。妹の靴をなくしてしまった少年が2人で1足状態をなくすため、3位賞品が運動靴のマラソン大会に出場する。走れ走れ! あれっ、これってローラだなあ。
子供映画でしょうが、監督はきっちりと現在を描いていますね。いやあ、2人乗りの自転車だとかボロの運動靴だとか。わたしは懐かしかったですよ。
そして、高速道路と高級住宅街のハイソな生活と庶民のつましい暮らしの対比。運動靴やランニングウエアからそれを語っています。階級映画ですね、明らかに。
イスラムのくびきも実にしっかり見ていますし。庶民に救いはあるのでしょうか。
父親が食料品と一緒に、兄妹の靴を買っている姿をさりげなくいれています。よかったなあ、と思います。映画がここで希望をうち砕いたらおしまいでしょう。
でも、それでは現実はちっとも変わらないのですが。「指導者の命令には従う」社会からの声にならぬメッセージをわたしたちは静かに聴けばいいのでしょう。
*142 「エリザベス」
シェカール・カプール監督。ケイト・ブランシェット。ジェフリー・ラッシュ。ジョゼフ・ファインズ。
大英帝国の最初の繁栄期を作ったバージン・クイーン「エリザベス」の物語。在位1558−1603年。ヘンリー八世の子で、首長令、統一令を発布してイギリス国教会を確立した。スペインの無敵艦隊を破って海上の覇権を握り世界的商業国としての道を開いたと百科事典にある。25歳で女王になったことになる。
それにしても、こりゃあ大がかりな歴史物であるが、内容がなあ。恋愛物語といえるのか、歴史物語なのか。どっちつかずだな。そりゃあ、「あいつは敵である。敵を殺せ」ってのが政治の命題かもしれないがなんともいかんなあ。あの幼なじみの女たらし? そいつの煩悶さえもうまく伝わってこない。ありゃ、こいつはグイネス・パルトロウの「恋に落ちたシェイクスピア」でもご活躍。やっぱり二股かけていたのか。悪い奴! ってな感想しか浮かばないのだ。
*142 「チャイルド・プレイ」
ロニー・ユー監督。ジェニファー・ティリー。
楽しく怖い人形劇。これは恐怖映画なのだろうか。やっぱり、パロディー映画ってのが本当なのだろうな。悪意が封じ込められた人形・チャッキーが人間の体を取り戻すために次から次へと殺人を繰り広げる。それがいささか派手。そして、相方として10年来の恋人が花嫁の人形となってしまう。
最後はベビーまで誕生するのだから怖い。はずなのだが、「フランケンシュタインの花嫁」をパロりながらお笑いがいっぱいなのだ。ワシのようにシリアスホラーが苦手な人間には安心して楽しめるホラーであった。
(143欠)
*144 「ノッティングヒルの恋人」
ロジャー・ミッチェル監督。ジュリア・ロバーツ。ヒュー・グラント。リス・エヴァンス。
女性のために送る余裕の逆玉の輿ありのラブストーリー。ロンドンのノッティングヒルの街で旅行書専門の本屋をしているバツイチ男。そこにビバリーヒルに住む世紀の美人女優アナがやってくる。理由は分からないが、ひょんなことから二人は親しくなる。ここはいささか映画的な出来過ぎか。普通はこんなに簡単にいかんよ。そんなこんなで「友情」は強まったり弱まったりしながら展開していく。結局、世界の違う二人は永遠の愛を誓う。
この映画はジュリア・ロバーツさんのためにある。とにかくジュリロバの顔が溢れている。功なり名を挙げた女性が「足の大きい」ちょっとマッチョ的な男と恋人にするというワーキングウーマンさん向きの映画だ。みんなを幸せな気分にさせるのは、たぶんいい映画なのだろう。
*145 「マトリックス」
ラリー&アンドリュー・ウォシャウスキー監督。キアヌ・リーブス。ローレンス・フィッシュバーン。キャリー・アン・モス。
コンピュータ社会の中で、人間復活の闘いを描くSF。主人公のアンダーソンはプログラマだが、天才的なハッカー、ネオだ。彼にある時メッセージが届く。
「起きろ、ネオ、マトリックスが見ている」「白いウサギについていけ」と。
彼は、導かれて実はこの世界が「コンピュータに支配された」仮想現実であることを知らされる。コンピュータに支配された体から端子を抜き、人間として生まれ変わるネオ。彼はさらに自分が「救世主」として選ばれた人間であることを聞かされる。信じられないままコンピュータ・エージェントとの闘いに突入するが・・
凄い。とにかく映像が凄い。身体論のレベルでたぶん一歩踏み出したことは間違いない。機械に操られた人間の体の二重性。こだわりを捨てた時に生まれる超能力。時間感覚を超えた奇妙な浮遊感。それらが絵空事でありながら、極めてリアルに再現されている。
なによりもメッセージ性も忘れてはならない。人間こそ愛こそが希望であると。
ちょっと凄すぎるエンターテインメントだぜ。
*146 「サイコ」
ガス・ヴァン・サント監督。ヴィンス・ヴォーン。アン・ヘッシュ。ジュリアン・ムーア。ヴィーゴ・モーテンセン。ウィリアム・H・メイシー。
アルフレッド・ヒチコックの名作のリメーク。監督は「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」のガス・ヴァン・サント。期待が持てるはずだが、さっぱり。「この映画のラスト30分は絶対入場できません」てな注意書きが虚しい。
ノーマン・ベイツのモテルにマリオンが金を持ち逃げして飛び込んでくる。そこで事件は起こるのだが。これが、怖くないのだ。単調で、単調で。いやあ、怖くなくても良いから新鮮な何かがあるか、っていうと感じられないのだ。これじゃ、ヒチコックが偉大なりという反面教師か。
*147 「シンプル・プラン」
サム・ライミ監督。ビル・パクストン。ビリー・ボブ・ソーントン。ブリジッド・フォンダ。
兄弟と親友の3人はある雪の日、自然保護区の森で飛行機の中から440万ドルの大金を発見する。返せば済んだはずなのに、「欲」が芽生えたとき、悲劇のゲームはスタートした。
家族を巻き込んで、始まる疑心暗鬼。誰が生き残り、金はどうなるのか。といっても、物語は単純だ。テーマは愛−喪失と回復−だからね。
金のために結局、知人をも兄をも手に掛けてしまう運命。人間の業の深さがきっちりと描かれている。この手の心理サスペンス。好きな人にはたまらないだろうが、ワシはちょっと疲れた。
この閉塞感、退行感がなんとも圧倒的にワシをうちのめすのだ。
*148 「グロリア」
シドニー・ルメット監督。シャロン・ストーン。ジェレミー・ノーザム。ジーン・ルーク・フィグロア。
マフィアの情婦のグロリアが身代わりの罪で3年間の獄中生活から解き放たれた。しかし、戻った組では時代が変わったとばかり、みんなよそよそしい。そこでグロリアは仲間を脅し、殺されかけていた少年を連れだした。少年は秘密のデータの入ったフロッピーを持っていた。2人を追うマフィアとサバイバルゲームが始まる。
さて、これはアクション映画でもないし、人情映画でもない。いやあ、中途半端だ。
「レオン」の原型といわれても、レオンの極限的な愛と非情が全くない。シャロン・ストーンのお色気もさっぱり。少年もナタリー・ポートマンの名演技とは程遠い。
80年にオリジナルがあるとか。それを見てみたくなるだけだった。
*149 「双生児」
塚本晋也監督。本木雅弘。りょう。筒井康隆。もたいまさこ。石橋蓮司。麿赤児。田口トモロヲ。江戸川乱歩原作。
明治時代、裕福な階級がいる一方、害毒の巣と思われていた貧民窟もあった。名家の跡取り医師の雪雄は、記憶喪失の妻りんと暮らしているが、いつも影を感じている。そのうち父と母が相次ぎ変死。雪雄も何者かに襲われ、井戸の中に突き落とされてしまう。代わって雪雄になりすましたのは双生児の捨吉だった。彼は貧民窟で暮らし、実はりんとはかつて恋仲だった。捨吉はまんまと富裕階級へのリベンジを果たしたかに見えたが・・・。
なかなかに凝縮され密度が高い。雰囲気はアングラ演劇・舞踊か。貧民窟の住民の襤褸をカラフルにしたのもアイデア。さらに登場人物の眉毛を剃ってしまったのも不気味だ。
本木君は役者として気合い満点でもある。乱歩のパラレルワールドを見事に作り出したのもさることながら、復活した雪雄が富裕階級の医師にとどまらず、貧民窟へ巡回する場面で映画は終わる。
これは人間性の復活のドラマである。すなわち愛のドラマである。異形なるものを通じて人間を愛した乱歩らしい映画となった。
*150 「リトル・ヴォイス」
マーク・ハーマン監督。ジェイン・ホロックス。ユアン・マクレガー。ブレンダ・ブレシン。マイケル・ケイン。
早くに父親を亡くしたLV(エルヴイ)はほとんど話をしない娘。逆に母親は派手好み。年の割には男にハッスルしている。あるとき、恋人のプロモーターがLVの歌声を聞き、才能を見いだす。父親のために、一夜だけのコンサート。見事に歌いのけたLVは前途洋々、歌手としての未来が開けるかにみえたが・・。
えっと、監督は「ブラス」の監督ですね。「トレスポ」のユアン・マクレガーもLVの恋人役で出ています。ちょっと地味ですが、ユアン・マクレガーは本当に活躍していますね。
札幌では「スタウォーズEP1」と「悪魔のくちづけ」と併せて3本が上映中ですから。歌への愛が父への愛であるストーリーがよくできていますし、ジェイン・ホロックスのリトル・ヴォイスぶりがきまっています。
音楽映画の心地よさを借りて、さわやかに人間の価値観を問うています。それにしても、もしLVのように天性の歌声の持ち主なら、やはり歌手になったほうがよかった気もするのですが。
僕は彼女が舞台に最後に駆けつけてくれることを祈っていました。
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