シネマミーハーらくがき帳 1999〜2003
なんというか、映画に嵌まっていた頃があり、雑文を書きまくっていた。
シネマ・グラフィティ・ノート 1999年 その5
*86 「ブルワース」
ウォーレン・ビーティ監督脚本・主演。ハル・ベリー。ドン・チードル。オリバー・プラット。
ブルワースはカリフォルニアの上院議員。でもね、お金ないし選挙戦は盛り上がらないはで、自分の命を狙わせて、保険金を残そうとのやけのやんぱち大作戦を考えついた。もうこの時点で切れているのだけど。だけど切れたのはまだ始まりに過ぎない。不眠の上にアルコール飲んじゃったからね。いけいけどんどん、どうにでもなれ。
そこで、黒人美女に会ってしまったから、すっかりタガがはずれちゃって。ラップで社会不満をアジッテアジッテぽん。自分で蒔いた種ながら、命を狙われつついけいけゴーゴー。
これは困ってしまいますね。いやあ、怖いものなし。アメリカのロビー政治やパックジャーナリズムも民主党も共和党もくそくらえ。こんなに面白くていいのかしら、っていう痛快映画。
*87 「25年目のキス」
ラジャ・ゴズネル監督。ドリュー・バリモア。デイヴィッド・アークェット。ジョン・C・ライリー。
25歳のジョジーは新聞社のコピー・エディター。でも本当の恋もキスもしたことがない。なぜって「ブス」だったから。というか「文学少女」だったから。ありゃ、新聞社のコピー・エディターって、オレと同業?まじめで冴えないところは、自分になんか似ているな。
ちぇっだな。まあいいや。新聞記者にするから高校に潜入してルポを書けって。
おいおい、ドリュー。なんかイケてないな。時々、高校生に見えないこともないが、17歳は無理があるぜ。でもここでの主題は人生のやり直しだな。ブスだった女の子がもう一度、高校生に戻ったならもっとうまくやれるか? それってオレと同じだな。不器用だった学生時代。今ならもっとうまくやれるって何度思ったことか。実際、今でも思っているけど。そりゃ、無理なことだ。後知恵で妄想したって仕方がないのだな。だめなものはダメなんだ。
1度目は悲劇でも、2度目は喜劇だよ。この物語も喜劇だ。そしてハッピーエンドだ。今を生きるしかない。そして人生は映画のようには甘くない。女の子も映画だから笑ってみているのだけれど。それにしてもエンディング・クレジットを見ていると昔はみんな髪が長かったよな。
*88 「ダンス・ウイズ・ミー」
ランダ・ヘインズ監督。ヴァネッサ・ウィリアムズ。チャヤン。クリス・クリストファーソン。
うーむ。タンゴも凄かったが、サルサも相当なものだ。ヴァネッサもチャヤンもやるが、出演者もみんなラテンダンスのプロばかり。ダンスファンにはたまりませんな。といってもあたしはそれほどのマニアじゃありません。
ルビーとラファエルの恋物語に、親子の愛が重なりあう。物語はありきたりだけど、しつこいがダンスが凄い。踊りってのは肉体表現のもっとも先鋭的なものだが、その素晴らしさがよくでている。セクシーでパワフルで、躍動的で。とにかく肉体の特権性がよくでた快感映画でした。
*89 「サイモン・バーチ」
マーク・スティーヴン・ジョンソン監督。ジョゼフ・マッゼロ。イアン・マイケル・スミス。アシュレイ・ジャッド。オリバー・プラット。
映画を見る楽しみは、この世にはない善意や美人に出会えること。そんなことを思わせてくれたのが「サイモン・バーチ」だった。難病に苦しむ少年と友人とその母親たちの物語。
どこにでもあるといえば、その通りだが。難病の少年が本当にその病気らしいのだが、日本映画のようないやらしさが全くないのがいい。
そしてアシュレイ・ジャッドが最高にいい。美人で優しくて。こんな女性がいたらみんな好きになって当然だよな。「ブルワース」にもでていたオリバー・プラット。こいつもいいな。デブだけど。泣けるよ。本当に。神様の説教はちょっと敬遠したいけど。
*90 「ファイアーライト」
ウィリアム・ニコルソン監督。ソフィー・マルソー。スティーブン・ディレン。ケビン・アンダーソン。リア・ウィリアムズ。
ソフィー・マルソー、いい女だねえ。いやあ、彼女のためにこの映画はあるのだな。アップ、アップの嵐。それに耐えられるのは、文句のいいようのない美人だから。
「ファイアーライト」の脇で輝いています。
あっ、1830年代にイギリス貴族に借金のため仮腹をしたスイス女性のメロドラマです。そっちはどうでもいいってか。
*91 「もういちど逢いたくて」
ダニエル・リー監督。レスリー・チャン。常盤貴子。ジャック・カオ。ミシェル・ヨー。
交通事故で恋人を失った日本人女性・瞳が彼のふるさと・香港を訪ねた。そこで恋人と瓜二つの潜入麻薬捜査官の石家宝に逢う。唐突な出会いからいつしか恋に落ちる2人。しかし、警察内部の腐敗分子により家宝は罠にはめられ命を狙われることになる。
メロドラマとアクション映画が混ぜ合わさった、香港・日本合作映画。
レスリー・チャンは相変わらずいい男で、まあ魅せますが。それ以上言うことはない。
*92 「レッド・バイオリン」
フランソワ・ジラール監督。サミュエル・L・ジャクソン。ジェイソン・フレミング。
時間と空間を超えて人間と出会うバイオリンの運命を借りて、フェティシズムに取り憑かれた人間という存在を描いた物語。
私はフェチじゃないので、今ひとつ堪能できなかった。エピソードがいっぱいありすぎて、消化し切れていないのが残念。あえて評価は避けるが、中国の文化大革命のシーンに何ともいえない感慨を覚えた。
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