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北海道文学を中心にした文学についての研究や批評、コラム、資料及び各種雑録を掲載しています

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まえがきのようなもの

 これまで2度死に目に遭った。1999年の大下血と2015年の悪性リンパ腫である。特に2度目は「生きるか死ぬかは神のみぞ知る」と言わてれ、50%以上の確率であの世へ行くと思い、入院中にパソコンを買い遺稿集を編集した。運が良かったのか、幸いにも生き残った。しかし、ここ数年、老化が進み、身体はあちこち不調で、とりわけ頭のほうはぼんやりするばかりとなった。自分が何を考えてきたのか振り返っても、思い出せないことが増えた。

 それで、まだなんとかなるうちに、手元に残っているデータから自分の書いたものを幾つかを整理し始めた。本来なら、書籍のような形にすればよいのだろうが、私には体力も資力もない。本は何千冊か持っていたが、ほぼすべて処分した。狭いマンションには大変な重荷なのだ。断捨離の時代にはそんな本を誰かにあげても迷惑になるだけだろう。

 それで、サーバーを借りてホームページにすることを考えついた。インターネットは検索もコピーも編集も驚くほど楽だ。膨大なインターネット空間で、私のような無名のものがシコシコつくったページなど、訪れる人はまず少ない。なるべく、見にくくして、自分の覚えらしく物量だけは圧倒的にしてやろうと構想した。そんなわけで、できあがったのがこのサイトだ。

 以前、「たかお=うどイズム」というホームページを作っていたことがある。それがプロトタイプとすれば、今回はその変容体であるので、「シン・たかお=うどイズム」とした。

 旧稿の大方は個人的に書いてきたものであるが、その後、勤め先で発表したものもあるが、ほとんどが署名入りであったり、個人の研究と批評的見解が入った文章であったりするもので、文体を含めて筆者の著作物と思われるものを収録した。内容的には文学研究やら書評やら映画メモなどがランダムに収められているが、基本は雑文集である。

 ホームページ用のサーバーはとりあえず半年契約であるが、できれば生きている間は開設し、すこしずつでもアップデートしていきたい。元気なうちにまとめたいと思ったため、公開に至ったが、まだ校正作業は不十分であることをお断りしておきたい。

 ***諸般の事情でサーバー引っ越しとなった  2023/04/03 ****

 古い文章を発掘してきたのであるが、読み直していると、ずいぶんひどいことを書いている。あまりの罵倒文言は落としたが、本を読みながら、怒っている姿に呆れている。一方で、それがなんの意味があったのかわからないが、闘いながら読んでいるのも、自分の実像のような気がして大方は採録した。当時がインターネット社会であったなら、「ネトウヨ(サヨ?)」になっていたかもしれない。現在は普通の人々の悪意が簡単に露出しているが、それは時代をしっかりと映しているわけで、ちょっと他人事とは思えず、これは重い課題だと思っている。

 ご指摘があれば速やかに訂正加筆していくので、左サイドの「メール」アイコンからお送りくだされば幸いである。ネット社会だけにずーっとベータ版(beta version→2.0)であるかもしれない。

 私がボケたり死んで料金が払えなくなれば、サイトのIDも抹消され、その時は必ず閉鎖されるはずだ。そんなふうになにもかも消えて行くのも、臨死のマージナルを歩いている自分にはちょうど良い気がしている。



 2023年春 
                                谷口孝男
                                有土健介
                           (庵主・帰塵亭うど)


札幌イーストサイド・ストーリー(イントロ編)

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