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北海道文学を中心にした文学についての研究や批評、コラム、資料及び各種雑録を掲載しています

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見逃しミーハーシネマ館  1999〜2003
 なんというか、映画に嵌まっていた頃に、ビデオも借りまくっていた。

 ビデオ・グラフィティ・ノート 2000-1   1~16  

*<1>「ゼロ・エフェクト」
ジェイク・カスダン監督。ビル・プルマン。ベン・スティラー。キム・ディケンズ。ライアン・オニール。
 1998年米国。
 探偵ゼロが遭遇した脅迫事件。だが、その事件の裏には依頼者の過去、脅迫者の過去が微妙に絡んでいた。軽いハードボイルド。脚本がうまく転がっていく。

*<2>「リバース」
ルイス・モーノー監督。ジェームズ・ベルーシ。カイリー・トラビス。
 1997年米国。
 タイムマシーンで時間を遡ったらどうなるか。テキサスでシカゴ警察の女性が遭遇した奇妙な事件。まあ、RPGのようなものです。これだけしつこくUNDOでリセットする物語もないような気がしますがね。結局、どうやってもハッピーエンドにならないというのが、人生ってところでしょうか。

*<3>「アメリカの友人」
ヴィム・ベンダース監督。デニス・ホッパー。ブルーノ・ガンツ。ジェラール・ブラン。ダニエル・シュミット。
 1977年西ドイツ・フランス。
 白血病の額縁職人ヨナタン・ツイマーマン。アメリカからの詐欺師トム・リプリー。マフィアに関係している男ミノにトムは殺人の手助けを頼まれる。ミノはヨナタンに目を付け殺し屋にさせる。 
 物語は緊張感を持続し、映し出される絵一種の哀愁を帯びている。ああ「ベルリン天使の詩」の世界らしいと感心する。

*<4>「ニュー・シネマ・パラダイス」
ジュゼッペ・トルナトーレ監督。フィリップ・ノワレ。ジャック・ペラン。アニェーゼ・ナーノ。サルバトーレ・カシオ。
 1989年イタリア・フランス。
 映画を愛した人たちの人間模様。シチリア島の少年サルバトーレはパラダイス座の技師アルフレードを慕っている。映画小僧の彼は青年となり、島を出て30年後、映画監督になって戻ってくる。しかし、その時、アルフレードは亡くなり、パラダイス座はもうなかった。故郷には帰ってくるな、という島で生きた男の断念と情熱。そして故郷を捨てた者の苦い悔い。映画を通じてその辺の人間の心を見事に捉えて魅せた。監督のトルナトーレ29歳。今は大作「海の上のピアニスト」の監督となった。

*<5>「デストラクション/制御不能」
シドニー・J・フューリー監督。ゲーリー・ビジー。ロイ・シャイダー。ロレンツォ・ラマス。クリスティン・クローク。
 1997年米国。
 FBIの男女の捜査官コンビが非道グループを追いつめる。敵はベトナム戦争の生き残りだが、政府にルサンチマンを持っている。それに悪質な上司が絡んで、内と外の戦いが続く。ちょっと物語がわかりやすすぎて単純。後はアクションが見せ場。それなりだが、軽い。ピアーズ・ブロスナン風の主人公が、パンチ不足か。個人的にはベトナム戦争派がFBIボーイに敗れるのがいささか残念。

*<6>「エンド・オブ・バイオレンス」

ヴィム・ベンダース監督。ビル・プルマン。ガブリエル・バーン。アンディ・マクドウェル。
 1997年ドイツ。
 恐ろしい映画だ。我々は防犯装置によっていつも監視されている。その秘密を知った映画プロデューサーは狙われ、コンピューター技師にも静かな監視の目が延びていく。そしてむき出しになった関係の中で、すべてのものがひとつずつ壊れ変化していく。ただその怖さをいささかじっくり描き出そうとしすぎたところに物語のテンポがない。解放感がないのは仕方がないにしろ、そこが不満だった。

*<7>「ボクサー」
ジム・シェリダン監督。ダニエル・デイ=ルイス。エミリー・ワトソン。ブライアン・コックス。
 1997年米国。
 出所した元IRAの戦士ダニー。だが、彼には迎えてくれる人もない。しかし、彼は昔の夢だったボクサーへの道へと歩み出す。14年もの間離ればなれだった元恋人には刑務所にいる夫がいた。しかし、心はいつも一緒だった。ボクサーへの道を踏み出した男にはIRA過激派が挑発してきていた。
 この種の問題は宗教問題ではない。階級問題である。そして、戦場ではいつも過激派が勝つ。なんともつらい。純愛映画である。

*<8>「ザ・ブレイク」
ロバート・ドーンヘルム監督。スティーブン・レイ。アルフレッド・モリーナ。ロサナ・パストール。
 アイルランドのIRA活動家が刑務所を脱出し、NYに流れてくる。男は過去を捨てたつもりだったが、グアテマラの女性に出会い悪逆非道との戦いへの野性がよみがえる。彼女たちもまた圧制と戦っていたからだ。しかし、一方で身辺にはFBIの追っ手が迫っていた。なんかIRAものを2本見ると、彼らの置かれている非情さがしみじみと伝わる。出口のなさが切ない。

*<9>「富江」
及川中監督。中村麻美。菅野美穂。田口トモロヲ。
 トミエ。彼女は何度も殺されては甦っている。そのナゾを追う刑事と記憶を失った女カメラマンの卵は次第にその存在に引き寄せられていく。またしても菅野美穂ちゃんだ。いやあ、怖い性格が決まっています。「わたしは化け物だから、ずっとかわいいままよ」なんて言います。困ってしまいますね。でも、脚本も演出も私には今ひとつでした。

*<10>「ゴジラ vs デストロイア」
大河原孝夫監督。辰巳琢郎。篠田三郎。石野陽子。
 放射能が臨界点に達してメルトダウン寸前になったゴジラ。一方、海底からどんどん増殖するデストロイアが現れた。この2者を戦わすことで地球の危機を救うため、最後の作戦が展開される。
 お約束の新兵器やゴジラ・ジュニアも登場してシリーズ最終編としてはにぎやかです。ゴジラが凶暴でいいです。テレビキャスターの石野陽子が透明感ある美女を好演しています。ゴジラはメルトダウンした後、再び雄姿を見せるところでジ・エンド。ゴジラは死んでなかったのだ、と知りました。この後、米国で現れた「Gozilla」は偽物ですね、やっぱり。

*<11>「落下する夕方」
合津直枝監督。原田知世。菅野美穂。渡部篤郎。浅野忠信。大杉蓮。中井貴一。
 江国香織の原作を映画化した。
 恋人に好きな女の子ができ、別れることになった女性。しかし、1人になった彼女のところに転がり込んできたのは、その女の子だった。そうこうしているうちに恋人もアパートに立ち寄るようになり、奇妙な三角関係が始まった。
 みんな小さな罪(負い目)を持っている人間たちが繰り広げる自分探し。原田知世ちゃんが冴えない。渡部篤郎が冴えない。菅野美穂だけ、ため口が利いている。本も映像もマイナーコードばかりで、悲しくなる。

*<12>「ロザンナのために」
ポール・ウェイランド監督。ジャン・レノ。マーセデス・ルール。ポリー・ウォーカー。
 1997年米国。
 マルチェロはロザンナを愛している。しかし、彼女は体が弱く、死んだ娘の墓の隣に埋められることを望んでいる。そして、後妻には妹のチチリアを勧めている。妹を好きな男もいるし、ロザンナにはかつて結婚を迫られた男がいた。
 さて、ロザンナのためにマルチェロはどうする? ちょっとしゃれたラストが利いています。ジャン・レノはいつもと違う味だしています。

*<13>「クリッター」
スティーブン・ヘレク監督。ディー・ウォーレス・ストーン。M・エメット・ウォルシュ。スコット・グライムス。
 1986年米国。
 宇宙刑務所から逃げた食欲怪獣が地球にやってきた。それを追って銀河系の仕事人トランスフォーマーもやってきた。カンザスの田舎町は大騒ぎ。食うか逃げるか戦うかのドタバタ劇が繰り広げられる。コロコロ転がるクソ毛玉のようなエイリアンってのは笑える。当然ながらシリーズものになっています。
 
*<14>「チャイルド・プレイ」
トム・ホランド監督。キャサリン・ヒックス。クリス・サランドン。アレックス・ヴィンセント。
 1988年米国。
 殺人人形チャッキー君、大暴れのシリーズ第1作。人形店で命を落としたチャールズ・レイはブードゥーの力を借りて人形に転生。アンディーのおもちゃになったが、復讐を始めた。グッドガイ人形はちっとも可愛くない。こんな人形が好きになるのが不思議だが、動き出すと面白い。これまたシリーズで活躍しています。

*<15>「砂の惑星」
デビッド・リンチ監督。カイル・マクラクラン。フランチェスカ・アニス。ホセ・フェラー。
 1984年米国。
 いやあ、その昔、試写会で見た。デビッド・リンチ監督だったんだ。ツイン・ピークスのメンバーだ。なかなか感慨深いよ、本当に。
 大作だったが、ちょっと難しすぎくどく感じたのは仕方がないか。オタクテイストがいっぱいで、楽しめるスペースオペラでした。

*<16>「Love Letter」
岩井俊二監督。中山美穂。豊川悦司。
 恋人を山の遭難で亡くした女の子。3回忌で聞いた恋人の昔の住所に手紙を書いたら。なぜか、恋人の名前で手紙が戻ってきた。
 中山美穂が二役で大活躍します。いいなあ。なんか藤井樹役がカッコイイなあ。小樽の銭函と神戸の美しさがそれぞれに出ていた。いささか集中力に欠く憾みがあるが、リリカルな美しさに溢れている。

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